第15回<東アジア実学>国際フォーラム
The 15th International Forum on‘True and Real Learning of East Asia’
「近代の暴走と実心実学」
日時:2019年12月21日(土)~22日(日)
会場:東北大学川内南キャンパス文科系総合講義棟
主催:東北大学大学院文学研究科日本思想史研究室
共催:日本東アジア実学研究会・韓国実学学会・中国実学研究会・東北韓国学フォーラム
■趣旨文
「近代」とは、古い既知の世界から新しい未知の世界へ踏み入ろうとする知識・感情・意志をもった時代である。そこにはつねにリスクと機会が伴っている。「暴走」とは、制御不可能性が高まるという意味である。したがって、暴走する「近代」とは、リスクを克服し、機会を活用するための科学(「実学」true and real learning)の有効性が低下した時代と言える。あるいは、近代の科学技術(「実用実学」real learning)自体が「暴走」し始めているとも言える。
「近代の暴走」概念は、世界が崩壊していく実感に支えられている。とりわけ、人間的構え・配慮・叡智を養うべき学問・教育の劣化が著しい。主題に「実心実学」(true learning)を並置した理由である。「実心」とは主体の環境への尊厳ある向き合い方を示す。「実心」は個人の内面のあり方にとどまらない。それは、個人を超えた生命への畏敬でもある。「実心実学」は、「科学をしてすべての生命に奉仕する手立てとなさしめ」る(山尾三省)ことを志向する。
世界の崩壊に対し、装置や制度を取り替えるだけでは、まさに‘焼け石に水’である。「見たいと思う世界の変化に、自らならなければならない(Be the change you wish to see in the world)」(ガンディー)。「実心実学」は「実用実学」の自己変容の姿である。
「近代の暴走」概念は、近代自体の再定位も前提としている。近代は必ずしも、チキンゲームのように破局に直進していく欧米的近代とその亜流だけではない。かといって、農本主義、身分制社会、男中心主義などに後戻りするのでも、決してない。「実心実学」的近代とは何か?それはいつ始まり、どのように派生し、どこに旋回していくのか?その主体と社会編成の特質は?・・・。跨境や遷移という観点から、「近代」と「実学」の時空間を根本的に捉え直す。
以上の問題意識にもとづき、「実心実学」の過去・現在・未来について、真摯な対話を交わし、一定の合意にもとづく共同声明の発信を、本会議の最終目標としたい。
■ポスター
■開催要項
会議名:第15回<東アジア実学>国際フォーラム
The 15th International Forum on‘True and Real Learning of East Asia’
総合主題:「近代の暴走と実心実学」
日時:2019年12月21日(土)~22日(日)
会場:東北大学川内南キャンパス文科系総合講義棟
主催:東北大学大学院文学研究科日本思想史研究室
共催:日本東アジア実学研究会・韓国実学学会・中国実学研究会・東北韓国学フォーラム
■プログラム
・プログラム(日本語):PDF
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