【会員の図書】小倉紀蔵『群島の文明と大陸の文明』

タイトル:『群島の文明と大陸の文明』
刊行日 :2020年10月15日
編著者名:小倉紀蔵(著)
出版社 :PHP研究所
ISBN :978-4-569-84754-2

詳細:日本は群島の文明である。それは帰納的(反演繹的)思考、経験主義(反理念・反理性主義)、そして反超越主義などによって規定される。日本に特殊なものではなく、これらの特徴を欧州で最も強く持っているのはイギリスである。

 群島文明は、大陸の文明を移入しながら、それを島の力で相対化・分解しつつ、風土や文化に合わせて再構成する。さらに日本における群島文明は、「もののあはれ」や「美」という感覚を非常に重視する。

 大陸文明は、普遍主義・理念主義・本質主義・超越主義などを基盤とせざるをえない傾向を持つ。政権を維持するためにもそれを打倒するためにも、超越的な神・理念・価値を必要とする。日本が理念性・超越性に自己を同一化させてしまうと、戦前のような全体主義となる。

 東アジア文明の理解のために、必読の一冊!

(出版社解説文より)

書評

大橋健二「(書評)小倉紀蔵著『群島の文明と大陸の文明』」(『未来共創新聞』42、2021.3.31):PDF