【会員の図書】小倉紀蔵『韓国の行動原理』

タイトル:『韓国の行動原理』
刊行日 :2021年07月15日
著 者 :小倉 紀蔵
ページ :221頁
出版社 :PHP研究所
ISBN :978-4-569-84998-0

内容紹介
 なぜ、法や条約よりも道徳を重視するのか。朱子学や「東学」、王朝の伝統などの背景を知れば、韓国の「いま」が読み解ける。

出版社解説
 日韓請求権協定に関わる報道に接して、韓国人の法意識に疑問を持つ人は少なくない。
 著者は韓国は法よりも道徳にこだわる国だと説く。朱子学の影響で、韓国では道徳は敵を叩き潰すための武器になっている。また、韓国の前近代が王朝であり、日本の前近代が封建社会であったことの違いも大きいといえる。
 道徳にこだわる社会であるために、民主主義という概念に対する捉え方も、日本と韓国では異なる。韓国における民主主義は、「道徳的社会を実現する」ためのシステムと見なされている。ただし「法を軽視する韓国の民主主義はレベルが低い」と考えるのは危険である。韓国の法曹的能力は高く、「法」に関する世界の最先端のトレンドに敏感である。その一方で、著者は韓国を国家と思わず、一つの「運動団体」と捉えたほうがよいと説く。
 韓国の実像は、日本ではまだまだ知られていない。韓国を知悉する東アジア思想研究者が、この国を理解するための視座を提供する一冊である。

(出版局ページより)

参考資料
・山本恭司編「開新実学事始め2」(2021.9.30) PDF